「会社の先輩の背中を見て、まったく憧れず、仕事を続けていたら自分も将来こうなっていくのかもしれないと不安になり、3年で辞めようと決意しました。入社してちょうど一年がたったころです。」
某有名大学出身で某有名企業につとめるAさんの「なぜ会社をやめたのか?」という質問に対する答えです。
新卒入社の会社を3年以内で退職した方(早期離職者)100名への個別インタビューを行い、インタビューの結果わかったことは、早期離職には大きく分けて2つのタイプがあることです。
一つは、退職した会社に対してポジティブな印象を抱いている「ポジティブ退職」。主な退職理由は「別にやりたいことが見つかった」「前からお世話になっていた会社に声を掛けられた」「起業したいから」などです。
もう一つが退職した会社に対してネガティブな印象を抱いている「ネガティブ退職」。主な退職理由は「上司や先輩、同僚のパワハラ、セクハラ」「うつ病になった」「尊敬できる社員がいない」などです。最初にご紹介したFさんは大企業でのネガティブ退職の典型例と言っていいでしょう。
インタビューではポジティブとネガティブの比率は約2:8という結果でした。ほとんどの早期離職者はネガティブ退職なのです。
さらに、ネガティブ退職者のうち約2割はうつ病などの病にかかっており、直接的にはうつ病が退職の理由という方も少なくありません。
最近では、転職者による口コミサイトなども増え、元社員から転職希望者に対して企業の文化や人間関係などの生々しい情報も共有されるようになりました。また、ハローワークの求人票には3年以内離職率の記入欄が追加(記入は求人企業の任意)されています。企業側にとってもネガティブな退職者を増やすのは得策ではない時代となり始めています。
社員がネガティブな感情を抱いて辞めるのは、多くの要因が複雑に絡まりあった結果であり、それぞれの要因や絡まり方は企業や退職者個人によって異なります。そのため、社員が退職に至った理由をしっかりと分析できないまま対症療法的な対応をしても、すぐに退職者が出てしまう可能性が高まります。
ですから、大切なことはそれぞれの企業や法人において、退職者の退職理由にどんな傾向があるかを知ることです。退職理由を知らずに「きっと、これに違いない」と考えて手を打っても、見当違いの対策では無意味です。
まずは若年層の「継続する力」を養う努力をしてみるというのも企業にとっては策の1つだと思います。
その1つとして「グリッド(やり抜く力)」を育ててみてはいかがでしょう?
グリッドとは成功した人が必ず身につけているやり抜く力のことです。
そのグリッドを学ぶセミナーを弊社も行っております。
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